日本では、生後3~12ヶ月の間と11~13歳の間に予防接種が行われます。
それ以降は、5~10年に一度追加接種が必要です。
1968~1981年の間に生まれた人や、破傷風ワクチンを接種していない人は、破傷風の免疫を持っていない可能性があります。
予防接種をご希望の方は、こちらからご予約ください。
ケガをした後に破傷風ワクチンを打つこともあります。
ケガをして破傷風を予防する場合、破傷風ワクチンまたは抗破傷風ヒト免疫グロブリンを接種します。
傷口に異物が残らないように洗浄します。破傷風菌は空気に弱いので、必要に応じ傷を負った箇所を切開し、壊疽組織があれば切除します。また、破傷風菌を抑制するために抗菌薬も用いられます。
破傷風は破傷風菌が傷口から体内に入ることで感染します。
破傷風は次のように分類されます。
破傷風の潜伏期間は3~21日です。
全身に痙攣が出る全身性破傷風の場合、発症後、次のような症状が出ます。
・全身に倦怠感を感じる
・頭が重苦しく感じる
・肩がこる
・不眠
・微熱
・口を開こうとしても口の筋肉が痙攣して、歯を食いしばる状態になる
・口が開かず苦笑いをしているような表情でひきつり笑いをしているように痙攣する
・寝ている状態で頭を持ち上げようとしても上がらない
・うまく食べたり飲んだりできなくなる
・うまく喋れなくなる
・筋肉の痙攣が全身に出る
・全身が後方に弓形に反り返った状態になる
・呼吸困難に陥る
・血圧が急激に変動する
・誤嚥性肺炎や窒息で死に至る場合もある
・神経に影響を及ぼしていた破傷風毒素が弱まると回復
自然環境のどこにでもある破傷風菌は、屋外でケガをしたときなどに傷口から体内に入ります。傷口、注射をした箇所、やけど、外部からの強い衝撃で筋肉組織がつぶれた外傷、あるいは壊死している傷などが土や糞便などで汚れると破傷風に感染します。また、浅い傷や虫刺され、歯科感染、慢性の潰瘍、薬物の静脈内注射などが破傷風感染の原因になることもあります。破傷風はヒトからヒトへ感染することはありません。
破傷風菌は世界中どの地域にもありますが、ほとんどの場合、予防接種を受けていない人たちだけが発症しています。予防接種を受けていれば海外旅行をしても感染することはありません。逆に、予防接種を受けていない人は、汚染した物で傷ついたり、汚れた注射針で注射をしたり、非衛生的な環境で手術または歯科治療を受けると感染する恐れがあります。