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狂犬病に感染した動物に咬まれたときは、すぐに咬まれた部位を石けんと流水で入念に洗浄してください。石けんがないときは水だけでもよいので、とにかく洗浄してください。その後なるべく早く病院を受診し、暴露後ワクチンを接種します。狂犬病に感染した場合、数回にわたる暴露後ワクチン接種で発病を防ぐことは可能ですが、いったん発病すると治療は不可能で100%死亡します。
海外では、日本国内にいるときと同じ感覚でイヌやネコ、現地の動物に軽率に手を出したりしないようにしましょう。
狂犬病はリッサウイルスの一種である狂犬病ウイルスに感染して発症します。潜伏期間は15日~1年以上とばらつきがありますが、1~3ヶ月で発症するケースが多く見られます。発症すると発熱、頭痛、倦怠感、食欲不振など風邪に似た症状が出ます。また、咬まれた箇所が痒くなったり熱を持ったりもします。その後、筋肉が緊張し、水などを飲もうとすると筋肉が痙攣するため、水を怖がるようになります。幻覚や不安感、興奮などがあった後、昏睡状態になって呼吸が麻痺して死亡します。症状が出てから1~2週間でほとんどの場合は死亡します。全世界で少なくとも年間5万人が狂犬病で死亡しており、1,000万人以上が狂犬病に感染してワクチン治療を受けています。
狂犬病ウイルスは、狂犬病に感染した動物の唾液中に含まれています。狂犬病とは言いますが、イヌだけでなくネコ、アライグマ、スカンク、キツネ、コウモリそしてヒトなど、すべての哺乳類が感染します。感染した動物に咬まれたり、傷口や目、口などの粘膜をなめられたりすると、感染動物の唾液中のウイルスが体の中に入り発病します。体の中に入ったウイルスは末梢神経から中枢神経に伝わり、唾液腺で増殖します。
狂犬病による死亡の90%以上はアフリカの一部、アジア、中央アメリカ、南アメリカで感染しています。日本は、次の地域での狂犬病発生はないとしています。